a) "Anti-activated-MAPK" は活性化型MAPキナーゼに対する抗体で染色したもの。"Anti-GFP" は GFP (Grren fluorescent protein) に対する抗体で染色したもの。用いた線虫はGFPを嗅覚神経AWCとAWBで発現しているため、Anti-GFP 染色で染まっているのがこれらの嗅覚神経である。右の列はこの二つの染色像を重ね合わせたもの。"Odorant application" の−は匂い刺激を与えないもの、+は匂い物質であるイソアミルアルコールを与えて10秒後のものである。野生型線虫(WT)ではイソアミルアルコールを与えることにより、AWC神経でMAPキナーゼが活性化されていることがわかる。rasの機能欠損変異体let-60(lf)では活性化がみられず、rasの活性化変異体let-60(gf)では匂い刺激を与えなくても活性化が起こることから、MAPキナーゼはrasに依存して活性化されることがわかる。

b) AWCでMAPキナーゼが活性化された線虫の割合。白抜きは匂い刺激なし、黒棒は100倍希釈のイソアミルアルコール、斜線は10000倍希釈のイソアミルアルコールを与えたもの。odr-3はGタンパク質。tax-2、tax-4は環状ヌクレオチド依存性チャネルの各サブユニット、unc-2は電位依存性カルシウムチャネルのサブユニットを欠損した線虫での結果。いずれの場合にもMAPキナーゼの活性化が起こらない。