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線虫の感覚受容の分子機構
線虫は、塩やアミノ酸などの水溶性物質 (soluble material, 味に対応する)、イソアミルアルコール (isoamylalcohol)などの揮発性物質 (volatile material, 匂い物質 (odorant))、フェロモン、二酸化炭素など、さまざまな低分子化合物に対して化学走性(chemotaxis) (Movie: 34Mb) を示します。これらの物質は、おもに、頭部のアンフィド感覚器 (amphid sensilla)にある感覚神経(sensory neuron)で受容されることが分かっています。これらの神経における刺激の受容機構と細胞内情報伝達機構を明らかにするために、化学走性に異常を示す突然変異体の解析を行っています。これまでに、Ras-MAPキナーゼシグナル伝達系が嗅覚神経内で揮発性物質の感知に必須な役割を果たすこと(論文 Hirotsu et al., PDF)、味覚神経のシナプス伝達におけるホスホイノシチドシグナルの役割(Iwata et al., (2011))について明らかにしています。