化学走性行動のメカニズムの解析
線虫が好きな化学物質がそばにあると、線虫はその物質に寄っていきます。これが化学走性行動です。線虫は頭部のアンフィドという感覚器で化学物質を感じています。では、線虫はその情報をどう処理し、どういう方法で化学物質の濃度の高い方に進むのでしょうか?
これまでの行動学的解析から、線虫は受容する化学物質の濃度が上昇しているときには前進を続けることが多く、受容する化学物質の濃度が低下すると、進む方向を変えるという戦略をとっていることが示唆されています。当研究室では、化学走性行動を行っている線虫を、ビデオトラッキングシステム(video tracking system) で自動的に追尾しながらコンピューターにより画像解析し、行動を数値的に解析しています。この結果、化学走性の新たな行動メカニズムがあることがみつかりました。行動の数値解析をもとに、神経回路の動作原理に迫ることができると考えられます。レーザーにより特定の神経を破壊したり、変異体やトランスジェニック株を用いてビデオトラッキングによる行動解析を行い、神経回路がいかにこの行動を作り出しているかを明らかにする研究を進めています。
<装置の説明>
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